交流分析の解説とキャリアカウンセリングにおける有用性の考察(vol.1;構造分析)

交流分析の基本的な概念について解説していくとともに、交流分析を理解することがキャリアカウンセリングの現場でどのように活かせるかということを考えていきたいと思います。

交流分析の基本的な概念は、4つあります。それは、「構造分析」、「ストローク(やり取り)」、「心理ゲーム」、「脚本分析」の4つです。

この記事では、「構造分析」について書いております。別の記事に続きとして「ストローク」と「心理ゲーム」と「脚本分析」についてが書いてあります。

「構造分析」の理解

「構造分析」とは、人間は誰しもが三つの心の構造(自我状態)から成り立っていると考える考え方です。その3つとは、「親」「子ども」「成人」という3つのカテゴリーです。そしてこれらの自我状態のパターンは、外部から観察することで把握できるものとしまています。

この交流分析の「構造分析」を理解するうえでのポイントなるのは、時の次元です。「親」と「子ども」は過去に由来する自我状態で、「成人」は「今ここ」に由来する自我状態だと考えられます。このことを頭に置くと理解しやすくなります。

「親」、「子ども」、「成人」のそれぞれの自我状態の解説と、「エゴグラム」の解説を行っていきます。そして、最後にキャリアカウンセリングにどう活かせるのかという考察を書いていきます。

「親」という自我状態とはどのような状態か

「親」の自我状態というのは、過去に学習したモデル(親や教師など)のように思考・行動する状態です。子供のころに体験した、両親や両親に限らずとも親のような人の言動を自分の中に取り入れ、まるでその人のように思考・行動する自我状態です。

そして、「親」の自我状態は以下の2つに分けられます。

毅然さ・厳格さ・頼もしさなどの父性的といえるような心と、いたわり・やさしさ・あたたかさなどのような母性的といえるような心の2つです。

小さい子どもでも、「僕は将来野球選手になってお父さんとお母さんを楽にさせてあげるね」みたいなことを言っている状態は、子どもながらに「親」を発動しています。

このような頼もしい「親」は、父性的な「親」と言われます。

また小さな子供が、「僕の飴、美味しいよ。はい、あげるよ」みたいなことを言っている状態も、「親」を発動しています。

このような優しい「親」は、母性的「親」と言われます。

「子ども」という自我状態はどのような状態か

「子ども」の自我状態というのは、過去(幼児期)に経験した自分の思考・行動を再現している状態です。

そして、「子ども」の自我状態は以下の2つに分けられます。

天真爛漫・無邪気・創造的な「自由な子ども」と従順・優等生・よい子な「従順な子ども」の2つです。

例えば、職場で上司とコミュニケーションを取る場面を考えてみましょう。子どものころに厳しい両親に育てられて、両親に対して逆らうことなく順応した状態を上司とコミュニケーションを取る場合において再現されるとすれば、その時の自我状態が「従順な子ども」の自我状態です。

「成人」の自我状態というのはどのような状態か

「成人」の自我状態というのは、「今ここ」の自分が取るのが相応しい言動を取る状態です。「今ここ」の環境に反応しているときの自我状態です。

現実の状況判断・損得勘定・情報収集など、現実の状況にうまく対処する自我状態です。

物事を損得で考えたり、合理的に考えたり、目の前の課題を解決しようとしていたりする時などは、この「成人」の自我状態であると考えられます。

「エゴグラム」とは

「構造分析」では、この「親」「子ども」「成人」の自我状態がバランスよく出し入れできる状態が望ましいと考えます。

「親」が弱いと人の面倒を見たりするのが苦手な人望のない人になったりします。

「子ども」が弱いと面白味がなく、周りの人にとって窮屈な人になったりします。

「成人」が弱いと物事を遂行したり課題を解決したりするのが苦手な人になったりします。

この自我状態のバランスを客観的に発見するのが、エゴグラムです。エゴグラムを使えば、自分の弱い自我状態を知ることができ、それを改善することでコミュニケーションを改善していくことができます。

「構造分析」の理解がどう活かせるか

交流分析の利点は、観察できることです。発言や非言語表現を観察することで行動のパターンを比較的容易に判断することができます。

その行動パターンを伝えるだけで、クライエントの中に自己洞察が始まり、行動変容を促すこともしやすい技術です。

内面の洞察を経ることなく、外観の観察だけで、関わることができるというのが交流分析の良さだと思います。なかなか自己探索が始まらないクライエントに対して、「構造分析」に基づく自我状態の指摘を行うことによって、違った角度からアプローチすることもできます。

つまり、「構造分析」を理解することにより、キャリアカウンセリングにおいてクライエントに対しての観察力が向上したり、自己探索を促す打ち手が増えたりします。これだけでも、十分勉強する価値があると思います。

また、交流分析は、この「構造分析」をベースとして、ストロークや心理ゲーム、脚本分析などの理論を展開しています。それぞれについてもキャリアカウンセリングを行う上で有意義なものが学べます。それを続編の記事で書いていきます。

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