

精神分析理論は、キャリアカウンセリングの現場でどのように活かせるのか
本日は、精神分析理論が、キャリアカウンセリングの現場でどのように活かしていくことができるかについて、考えていきたいと思います。 精神分析と聞いて抱くイメージ みなさんは、「精神分析」と聞いて、どのようなイメージを持たれるでしょうか。 僕は、療法家が患者に対して一方的に解釈を与えるといったイメージを持っていました。ですので、キャリアカウンセリングの現場においては、活用しづらいという風に考えていました。だから、あまり学ぼうとも思っていませんでした。 しかし、国分康孝さん著の「カウンセリングの理論」を読んでこの考え方が変わりました。考えが変わるきっかけとなった部分の一部を以下に抜粋します。 ---------------- フロイディアン、アドレリアン、ロジェリアンの三派それぞれのカウンセラーの面接録音を分析したフィードラーは、次のことを発見した。 熟練者になるほど、カウンセラーの面接中の言葉には学派の差異が見出されないということである。フロイディアンも受容的な反応をするし、ロジェリアンも解釈的なことばを発する。 ところが、未熟なフロイディアンほど解釈


「セルフキャリアドック制度」の導入のメリットと導入の流れ
本日は、「セルフキャリアドック制度」の導入のメリットと導入の流れについてお話ししていきます。 「セルフキャリアドック制度」を導入するメリット 「セルフキャリアドック制度」は、企業や団体において、その労働者に、キャリアコンサルティングを、定期的(労働者の年齢・就業年齢・就業年数・役職等の節目)に提供する制度です。 キャリアコンサルティングとは、従業員が主体的にキャリアプラン(働き方や職業能力開発の目標や計画)を考え、これに基づいて、働こうとする意欲を高める相談を行うものです。 この「セルフキャリアドック制度」を導入すると3つの利点があります。 1つ目、助成金がもらえる 1つ目は、助成金をもらえると利点です。 セルフキャリアドック制度を導入すると、人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)をもらえます。助成金金額は、47.5万円(生産性要件を満たすと60万円)です。 助成金の存在は大きいですね。しかし、もちろん、「セルフキャリアドック制度」を導入する目的は、助成金だけではありません。 2つ目、労働生産性が向上する 2つ目は、労働生産性が向上すると


キャリアカウンセリングにおいて「問題解決」を目指してはいけないのか、それとも「問題解決」を目指すのか
キャリアカウンセリングについて、その目的についての言及が人によって違い、混乱を感じることはありませんでしょうか?キャリアコンサルタントの発言も人によって言うことが結構違うように感じます。 代表的なこととして、「問題解決」に対する捉え方があります。ある人は「問題解決」をしようとしてはいけないと言い、またある人は「問題解決」をしないといけないと言います。 キャリアコンサルタントの国家試験の運営している団体は2つあります。キャリアコンサルティング協議会とキャリア開発協会の2つです。この2つの団体の大事にしている考え方も異なっているように感じられます。 それにより、どういった環境でキャリアカウンセリングについて学習したかによって、考え方が異なるという状況を生じさせてしまっているように思います。 本日は、キャリアカウンセリングの目的を考えていきながら、「キャリアカウンセリング」とは何かというものを、お読みいただく方の中で少し整理できるようなことを書いていきたいと思います。 キャリアカウンセリングの目的は、「行動変容」か「人格変容」か 「行動変容」とは、クラ


コンサルタントとして、必要なあり方とは
エドガー・H・シャイン博士の「謙虚なコンサルティング」を読みました。エドガー・H・シャイン博士は、キャリアアンカーなどで著名な組織心理学者です。 コンサルタントとして、クライアントに対してのアプローチをする姿勢について、「ひとつのあり方」を提唱している本でした。それはシャイン博士のこれまでの50年以上の実践の中で見いだせれてきた考え方です。 そのあり方について、僕は非常に共感しました。企業や人を支援するすべての人にとって有意義な考え方だと思います。 今日は、その「あり方」とは何か。どうして僕が共感したのか。その「あり方」の有意義さについて書いていきたいと思います。 答えは、「クライアント」が持っている 僕たちキャリアコンサルタントを始め、コンサルタントといわれる仕事の目的は、何がしらかの問題を解決することです。 問題解決において、何を問題として設定するかというのはとても大事だということは以前の記事で書きました。 「個人的に打ち解けた関係」が、「本質的な問題」を引き出します。ですので、「本質的な問題」とは何かを引き出すために、コンサルタントとクライ


ライフデザインカウンセリングの最終段階。具体的な行動計画の作成手順とその内容
本日は、ライフデザインカウンセリングにおける行動計画の策定についてお話します。ライフデザインカウンセリングにおいての最期の場面です。 キャリアカウンセリングの目的は、相談者の問題を解決することです。相談者の問題を解決するためには、キャリアカウンセリングで話された内容を具体的な行動へとつなげていかないといけませんよね。どのように具体的な行動に繋げていくのか、というのが本日のテーマです。 2回目のセッションにおいては、まず再構成したライフポートレートを相談者に伝えます。そこで話された内容をもとに、その後行動計画の策定をおこなっていきます。 この時の流れは、以下のようになります。 1.目的の明確化 2.生きる意図の宣言 3.行動計画の作成 それではこれらの段階のそれぞれについて、順番に見ていきましょう! 1.目的の明確化 まず、目的を明確にしていきます。ここでいう目的とは、相談者がキャリアカウンセリングを受けに来た目的です。 1回目のセッションの初めに、相談者がキャリアに何を期待しているか、そのキャリアカウンセリングを受けに来た目的を聴きます。 2回目


「褒める」ことが組織マネジメントにおいて逆効果になる場合について
本日は、「褒める」という行為の効果とどのような褒め方が効果的かを考えていきます。 「褒める」という行為について考える前に、まずはそれと深い関係のある自己肯定感という概念委ついて考えていきましょう。 自己肯定感とは、自分のことをどれくらい肯定的に捉えているかということです。つまり、自己に自信を持っているか、自分のことが好きかどうかということです。 日本人は、欧米人や中国人などと比較すると、この自己肯定感が低い傾向だという調査結果があります。(調査は青少年を対象にしたもの) 自己肯定感が高いとどのようなメリットがあると考えられるか 自己肯定感が高い人は、前向きで社交的などの良い特徴があると考えられています。つまり、ポジティブな人ですね。 自己肯定感が低い人は、犯罪率が高かったり、自殺の可能性が高かったり、メンタルヘルスの問題を抱えたりする人の割合が高くなるという話も聞きます。(本当にそうかは確認が取れていません) そのような話を受けて、自己肯定感を高くしよう、自己肯定感は高いほうが良い、と言われている傾向があります。コーチングやマネジメントにおいても


シャイン博士に学ぶ「本質的な問題」を見出すクライアントとの関係性の築き方
本日は、キャリアアンカーなどで有名な組織心理学の大家であるエドガーHシャイン博士が著作「謙虚なコンサルティング」の中で提唱しているクライアントとコンサルタントの関係性について記述していきます。 僕にとって、非常に腑に落ちる考え方でした。キャリアコンサルタントとしてだけではなく、対人支援の仕事すべてにおいていえる考え方だと思います。こんな対人支援者がいっぱいの世の中になると良いなぁって思います。 往々にしてよくあるコンサルタントとクライアントの関係 コンサルタントとクライアントのよくある関係性は、コンサルタントが主で、クライアントが従の、主従関係のような関係性です。先生と生徒、医者と患者のような関係性です。 さて、コンサルタントの仕事は、クライアントの抱えている問題を解決することです。問題は、クライアントの中にあります。しかし、クライアントが問題だといっていることが「本質的な問題」ではないこともあります。 問題解決において、問題設定を誤ることは致命的です。 主従のような関係性だとクライアントの話す内容をもとに、コンサルタントが問題を見立てます。問題


「すぐやる」習慣の身に付け方
本屋で「すぐやる」ことができるようになるための方法論が記述されている本を見ました。 「すぐやる」ことができなくて、「すぐやる」習慣を身に着けたいと思っている人が多いのでしょう、複数タイトル似たような本が置いてありました。 そのなかの本を立ち読みしたのですが、大体以下のようなことが書いてありました。 「あまり深く考えないようにして、とにかく行動してみよう!」 「素直になろう。」 「論理的に考えないようにしよう。」 「条件にあまり縛られるな。」 「失敗を怖れるな。」 「業務を細かくしよう。」 「自分に責任を持て。」 「とにかくやれ!!」 みたいなことが書いてありました。それができたら苦労しないんじゃないでしょうか。どうしたらそれができるようになるのかが大切なんじゃないかなと思います。 さて、今日は、「本当にすぐやらないといけないのか」「どうしてすぐできないのか」について記述していきます。 「すぐやる」ようになりたいけど、いつも仕事とかを先延ばししてしまうというあなたには、気づきになる何かがあるように書いていきます。 本当にすぐやらないと駄目なのか 仕