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JCDA出題のキャリアコンサルタント試験(実技)の論述問題の対策の方法と解答の作り方の解説。第6回試験問題の解答例付き。

December 5, 2017

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「経験代謝」とは何か、どんな効果があるのか、そして具体的にどのようなかかわりをするのか

本日は、「経験代謝」について考えていきます。「経験代謝」とはJCDA(日本キャリア開発協会)の提唱するキャリアカウンセリングの手法の一つです。

 

「経験代謝」について理解を深めることは、キャリアコンサルタント試験の実技試験(日本キャリア開発協会出題)の試験対策になります。それだけではなく、キャリアコンサルタントとして活動していくうえで有用なものを身に着けることに繋がります。

 

僕が思うに、「経験代謝」は悩みや来談目的が顕在化していない相談者に対するキャリアカウンセリングを行うのに非常に有効です。悩みや来談目的が顕在化していない相談者というのは、相談者が自ら受けたいと思って来談するのではなく、キャリアカウンセリングを受ける機会を外部から与えられて、受動的に来談するケースです。企業内や学校内のキャリアカウンセリングでよくあります。

 

この場合、特に何か相談したいことや克服したい問題があるわけではないことが多くあります。こういった場合に僕は、「経験代謝」を使ったキャリアカウンセリングを行っています。

 

 

 

 

 

 

 

「経験代謝」とは何か

 

「経験代謝」とは、相談者が自分のありたい姿を見出すのを支援する働きかけと僕は捉えています。「経験代謝」を行うことで、相談者が自身の「経験」を通じて自分自身について洞察していくなかで、自分のありたい姿などを徐々に徐々に浮かびあがらせていきます。

 

「経験代謝」の仕組みとしては、「経験の再現」を通じて「意味を出現」させます。「経験の再現」からの「意味の出現」を何度も行いながら、相談者の自己洞察を深めていきます。(経験の再現や意味の出現については後述にて説明しています)

 

自己洞察を深めることを通じて、自分はどういう人間か、自分は自分を取り巻く環境の中でどういう存在であるか、そして自分はどのような人間でありたいのか、といった自己概念を明確にしていきます。

 

そんな働きかけが、「経験代謝」です。

 

本日は、キャリアカウンセリングにおいて「経験代謝」を促すということを考えていきますが、「経験代謝」自体は、キャリアカウンセリングに限らず様々な形で行える考え方です。

 

 

 

「経験代謝」の効果とは

 

さて、「経験代謝」を行い、自分のありたい姿を明確にしていくことでどんな効果があるでしょうか?

 

自分のありたい姿が明確になっていると、「自己肯定感が高まり」「モチベーションが上がり」「主体的になり」「当事者意識が高まり」「責任感が生まれ」「学ぶ力が高まり」「他者に寛容になる」と考えられます。なぜそのような効果があるのかという理由については、長くなりますのでまた別の記事に書く予定です。

 

このような支援ができるとしたら、それを求めている方は多くいるということは確かでしょう。現代社会において求められている対人支援だと僕は思います。

 

それでは、キャリアカウンセリングにおいて「経験代謝」を具体的にどのように行っていくのかを見ていきましょう!

 

 

 

「経験代謝」で具体的に行うこと;①経験の再現

 

「経験代謝」の第一段階として、「経験の再現」を行います。「経験の再現」とは、相談者の経験をまるで絵を描くように一緒に振り返っていくことです。簡単な具体例を見て、考えていきましょう。(例中のCCはキャリアコンサルタントの略)

 

 

相談者「職場の上司と上手くいっていなくて」

 

CC「職場の上司と上手くいってないなぁと感じることがあるんですね。そう感じた場面を具体的に教えていただけますか?」

 

相談者「私のやることなすこと、細かく指示してくるんです。以前の上司の時は、ある程度好きにやらせてもらったのですけど。細かく言われると、逆にやる気なくなるじゃないですか」

 

CC「どんなことで細かく指示をされるのですか?」

 

相談者「営業に行くときに、パワポで提案書を作るんですけど。その内容やスライドの順番を細かく指示されるんです。それはまぁわかるんですけど、この前なんかフォントとかも指示されて。そこまで細かいところを気にしなくていいんじゃないかなって」

 

CC「必要以上に細かいところを指示してくると○○さんは感じるんですね。その時の上司はどんな風に見えますか」

 

相談者「私を信用してないんだなぁって思います。・・・」

 

 

こんな感じに、キャリアコンサルタントが問いかけをおこないながら、この場合ですと職場での上司とのかかわりのあった場面を再現していきます。ここで気をつけたいのが、再現するのはただの出来事ではないということです。

 

「経験代謝」を考える中で、「経験」とはただの出来事ではなく、その出来事に対して抱く想いや考えを含みます。つまり、何があって、それに対してどう感じたかというのを「経験」と考えます。このあたりが少しわかりにくいところです。

 

ですので、感情を伴う出来事について再現していくのが、「経験の再現」です。一緒に「経験」を観よう、一緒に「経験」を感じようとしてかかわっていきます。

 

 

 

 

 

 

 

「経験代謝」で具体的に行うこと;②自己概念の影への問いかけ

 

「経験の再現」を行うと、「自己概念の影」がところどころで表れてきます。「自己概念の影」とは、相談者が出来事に対してどのように捉えているかという相談者の自己概念が現れている言葉や仕草などのことです。自己概念が経験に映し出されてくるその表れが自己概念の影です。

 

例えば、前述の例で考えていきましょう。上司が提案書の細かい部分まで指示してくるという出来事があります。その出来事に対して、やる気がなくなるや信用されていないように感じるという言葉が出てきています。これが「自己概念の影」です。

 

「自己概念の影」は言葉だけはありません。通常なら触れそうなことに触れないなど言わなかった言葉も自己概念の影になります。表情や仕草、態度などノンバーバルな部分にも表れます。それらにアンテナを張り、アレっと思ったらそれを問いかけるのが「自己概念の影への問いかけ」です。

 

自己概念の影を見つけるのに以下のことを意識すると良いと思います。

 

1.「独特な言葉」などのようにその人の独自の考え方(自己概念)を含んでいる言葉

2.「…と思っている」といった個人の意見(自己概念)を表す意見

3.「…と考えている」といった個人の意見(自己概念)を表す意見

4.「…です」といった断定表現。しかし、断定できるものではない時や、事実と異なっている時は思い込み(自己概念)につながる

5.「…と感じる」といった気持ちを表す表現。事柄に対する感情を表す言葉

 

これらの言葉にアンテナを張り、なんでそう感じるのかな、考えるのかなと興味を持てば、自然と問いかけの言葉につながるのではないかと考えます。

 

 

 

「経験代謝」で具体的に行うこと;③ありたい姿の確認、そして行動へ

 

「自己概念の影」への問いかけを通じて、相談者の自分の自己概念についての洞察が深まります。そして、自分がどんな人間かを改めて見つめ直すことで、自分の「ありたい姿」を確認していきます。

 

この「ありたい姿」は簡単に明確になるものではありません。相談者によってや、キャリアカウンセリングの質などによって、どこまで浮かび上がってくるかは変わってくるでしょう。

 

しかし、キャリアカウンセリングの中で浮かび上がってこなくても、相談者が日常に戻ったふとした瞬間などに「ありたい姿」が浮かびあがってきたりします。

 

また「経験代謝」のキャリアカウンセリング終盤においては、できればカウンセリング後の行動につながることを決めるのが良いと思います。相談者と一緒に、納得のいく形で、できれば難易度の低い行動目標を定めるのが良いでしょう。

 

 

さて本日は、「経験代謝」について考えてきました。それぞれの言葉の意味が日常的に使用する意味と異なった造語のようなものなのでとっつきにくいと思います。ただ少しずつ理解してくるとそんなに難しいことを言っているわけでも、特殊なことを言っているわけでもないということをご理解いただけるのではないでしょうか。

 

僕も、「経験代謝」によるキャリアカウンセリングをしっかり実践できるように研鑽していきたいと思います。

 

 

<参考文献>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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