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December 5, 2017

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従業員の離職率を低下させる施策を考えるうえで、有用なシャイン博士のキャリア・アンカーという考え方

従業員の離職率を低下させるために何ができるかというお問合せをいただくことがあります。そして、そういった取り組みをお手伝いさせていただくこともあります。

 

企業で人事や総務の業務に携われている方にとって、従業員の離職率が高まっているというのが悩みの種になっていることはきっと多いでしょう。転職活動のハードルが下がり、働き方が多様化していっている中で、今後さらに従業員の離職が企業内での懸案事項となるように思います。

 

本日は、その従業員の離職という問題に向き合ううえで、有効なシャイン博士の「キャリアアンカー」という考え方の有用性について書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

従業員の離職原因についての考察

 

 

従業員の離職要因を次の観点で考えてみましょう。

 

それは離職原因が、「従業員に帰属するのか」、「企業組織に帰属するのか」、「あるいはその両方か」、「それともどちらともいえないか」、という原因の帰属の観点です。

 

離職原因が企業組織に帰属すると考えられる場合では、企業組織側で何か打ち手を打つことができそうですが、離職原因が従業員に帰属する場合は、企業組織側で何かを働きかけようというのは難しいでしょう。

 

そういうわけで、原因の帰属を考えることは、「どの問題に働きかけるか」ということを設定するうえでの前提になると考えています。

 

 

 

 

退職原因の考察

 

 

よくある退職原因をもとに具体的に考えていきます。

 

例えば、「待遇に対する不満」についてです。給料が低い、就労時間が長い、休みが取れないなどがこれに当たります。

 

さて、これは従業員に帰属するでしょうか?企業組織に帰属するでしょうか?

 

一見すると外形的には、企業組織に帰属するように思えませんでしょうか?しかし、実際にはそうとも言えません。

 

例えば、月収20万円の新入社員が2人いるとします。一人は、毎日毎日朝から晩まで働いているのに月収20万円なんて物足りないと考えるかもしれませんし、もう一人は新人でまだ会社の戦力になれていないのに月収20万円ももらって申し訳ないと思うかもしれません。

 

このように、同じ境遇にあっても、人によって捉え方が全く異なってきます。これは、「人間関係に対する不満」「無能感による挫折」「将来性への不安」「家庭の事情」「仕事との不適合」「組織文化との不適合」などの離職原因についても同様のことが言えます。

 

つまり、人が変われば離職理由が変わります。だから、コミュニケーションをとりながらひとりひとりのキャリアに向き合い、その人の離職を検討する原因となっている事由に向き合わなければいけないのです。

 

 

 

 

キャリア・アンカーとは

 

 

一人一人の離職事由に向き合ううえで知っておきたい考え方を本日は紹介します。それがシャイン博士のキャリア・アンカーという考え方です。

 

人は、経験が少ないために若いころには自分は何でもできると思う一方で、本当は何がやりたいかということはわからないという状態であることが多いです。その後、経験を積んでいく中で、自分の能力や興味や適性について徐々に理解を深めていきます。そして、他者からフィードバックを受けることでなお一層この自己イメージを強めていきます。

 

つまり、自分は何が得意なのか、自分は何がしたいのか、自分はどういったものに価値を置くのか、ということに関する自己イメージです。

 

この自己イメージの仕事(キャリア)におけるものを、シャイン博士はキャリア・アンカーと名付けています。そして、シャイン博士は20年以上にわたる調査を行った結果、キャリア・アンカーを8つのタイプに分類しています。

 

どうしても、企業組織における対策としては、画一的なものになりがちです。しかし、一人ひとりの従業員がどのような仕事に対するニーズを持っているのかというその多様性とそれぞれのタイプに対して理解を深めることは有効なのではないでしょうか。

 

それでは、その従業員のニーズについてどういったものがあるのかについてシャイン博士が挙げている8種類を順に簡単に紹介していきます。

 

 

 

①専門・職能コンピタンス

(コンピタンスとは職業能力という意味です)

 

 

 

これは、特定の分野の能力を深く掘り下げていくことを好む人たちです。一言でいえば、「職人肌」の人です。

 

こういう人は、技術畑であれ、営業畑であれ、その技術を磨いてプロフェッショナルになっていくことに喜びを感じます。こういった人が昇進して管理職になり、求められる役割が変化すると仕事に対するモチベーションが低下することがよくあります。

 

技術畑や営業畑で優秀だった人が管理職になって成果を挙げられなくなる場合などは、こういったタイプの人が多いとされています。

 

最近増えてきているように感じますが、こういったスペシャリストの人向けの役職や待遇を準備して、その能力を如何なく発揮してもらうことができれば望ましいでしょう。

 

 

 

②全般管理コンピタンス

 

 

これは、俗にいう管理職タイプです。①専門・職能コンピタンスの逆で、広く浅く様々な部署を経験することを好みます。

 

役職が上がっていくことがこのタイプの仕事のモチベーションになります。逆に言えば、役職が上がることが強い動機付けになるのはこのタイプだけといっても過言ではありません。

 

多くの日本の組織の育成プログラムでは、こういったタイプを育成しようとしているものが多いです。会社内でも評価されやすいタイプと言えます。その場合、このタイプの人には都合が良くても、他のタイプの人には都合が良くないことというが多くなります。

 

また会社を経営している人に多いタイプであることもあり、社内のモデルケースとしてもこのタイプがよく挙げられます他のタイプの人にとってこのタイプの人たちはなんのモデルケースにもならないことを理解する必要があるでしょう。

 

 

 

③ライフスタイル

 

 

近年増えている「ワーク・ライフ・バランス」を重視するタイプです。仕事に生活のほとんどを捧げることを良しとせず、仕事以外の自分の生活もしっかり尊重したいと考えている人たちです。昇進などにはあまり興味を持ちません。

 

このタイプの人たちは、あまり仕事をしないんじゃないかと思われることがありますが、それは誤解です。仕事をする間は、仕事をしっかり行い、自分の役割を果たそうとします。ですので、マネジメントにおいては、組織においてどういった役割を求めらているのかをしっかり伝えることが重要です。役割が明確になると責任を持ってそれを果たしてくれるでしょう。

 

またこういった人たちをマネジメントするためには、柔軟な働き方を提供する必要性もあるかもしれません。いずれにせよ、しっかりと対話することが求められるタイプです。

 

 

 

 

④起業家的創造性

 

 

 

事業を興して、社会に新しい価値を提供しようとする人たちです。自分自身で起業して、良いパートナーや資金を探して事業を興していく人です。

 

日本ではまだまだ少ないタイプですが、世界的には結構多いみたいです。このようなタイプの従業員を会社に留めるのは難しいですし、また無理に留めようとしてもお互いのためになりません。

 

ただ、社内での新規事業立ち上げのプロジェクトなどを任すと、非常に高いモチベーションでそれに臨んでくれることを期待できるかもしれません。

 

複数のことに興味を持ち、幅広く仕事を行うことを好む傾向があるため、②全般管理コンピタンスの人と似た特徴を持つことが多いです。

 

 

 

⑤自律・独立

 

 

 

このタイプは、大きな組織では働きたくないと考えるタイプです。過去に大企業で働いて自分には合わないと感じた人もいるでしょう。

 

自分の腕で勝負したいと考えてフリーランスで働く人たちが代表格です。①専門職能コンピタンスの人と似た特徴を持つことが多いです。

 

こういった人たちも会社内に残そうとするのは難しいですが、権限や責任を集約して自由に働ける環境を整えると、高いパフォーマンスを発揮して働いてくれることもあるかもしれません。

 

しかし、④起業家的創造性と⑤自律・独立のキャリアアンカーを持っている人たちを会社内に残そうとするのは、基本的には間違いだと思ってください。この人たちは、主体的に仕事を行って高いパフォーマンスを発揮する人が多いので、会社内にいる間にしっかり成果を出してもらい、辞める時は暖かく送り出すのが良いと考えられています。

 

 

 

 

⑥保障・安定

 

 

このタイプは、雇用の継続や安定・保障を強く求める人たちです。このタイプは、日本の社会において非常に多いと言われます。ただ少しずつ減少傾向にあるように感じます。

 

自分から退職をしようとはしない人たちなので、そこの心配はあまり必要ありません。しかし、仕事に対して受動的である傾向があるので、組織として何を求めているのかをしっかり伝える必要があります。

 

 

 

 

⑦奉仕・社会貢献

 

 

このタイプは、他のタイプにない特別な価値観を持っている人たちです。社会奉仕や環境保全、人権保護などの価値観を満たすために仕事をしたいと思っており、その優先度が高い人たちです。

 

こういった人たちをマネジメントする必要がある場合は、こういった人たちがどのような想いや価値観を持っているのかを理解しようと努めることが大切でしょう。

 

 

 

 

⑧純粋な挑戦

 

 

このタイプは、困難なことに挑戦したり、他者と競争したりする、それ自体に価値を感じる人たちです。

 

困難な課題に挑むのが生きがいで、一つの困難な課題を終えることができればまた新しい困難な課題を求める人たちです。

 

このタイプの人たちは、あまり見ないと言われています。新しいテクノロジーなどを開発するような仕事に就いているエンジニアなどに多いと言われます。

 

 

 

 

 

キャリア・アンカーの8つのタイプを紹介しました。様々な仕事に対するニーズを持っている人たちがいることがお分かりいただけたでしょうか。各タイプにより何が退職原因になるかは変わってくることがご理解いただけると思います。

 

各タイプに対する理解を深めることが、離職防止に有効であることもご理解いただけたのではないのかなと思います。

 

企業を取り巻く社会環境の動きを考えると、今後ますます人材の就職・離職の流動性が高まることが予想されます。そういった中で、従業員一人ひとりに対する理解を深めていくことがより一層大切になっていくのではないでしょうか。

 

その理解を深める一つとして、本日はシャイン博士の提唱するキャリア・アンカーを紹介させていただきました。疑問に感じることなどあれば、お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

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