キャリアコンサルタント試験学科試験対策。コーヒーカップモデルなど国分康孝先生の著書から出題された範囲の解説

今回はキャリアコンサルタント試験の学科試験対策についてです。学科試験では養成講座のテキストなどに載っていない問題も出題されています。それらを正答できるかどうかで合否の分かれ目になっているケースも結構多いみたいです。

その中で、今回は国分康孝先生の著書からの出題について、過去に出題された分野を取り出して、解説していきます。その分野は、「コーヒーカップ方式について」、「カウンセリングの技法について」、「カウンセラーに求められるパーソナリティについて」です。

これらを学ぶことは試験対策になるだけでなく、キャリアカウンセリングというものに対する理解を深めるのに有用だと思いますよ。

コーヒーカップ方式

コーヒーカップ方式とは

コーヒーカップ方式とは、キャリアカウンセリングの進め方のモデルの一つです。アイビイのマイクロカウンセリング技法やカーカフのヘルピング技法などもキャリアカウンセリングの進め方のモデルです。

コーヒーカップ方式の特徴は、単純で分かりやすいということと指示的なかかわりを含むということです。

まず、単純で分かりやすいという特徴についてです。コーヒーカップ方式とは、①リレーションを作る②問題をつかむ③処置の3ステップで、キャリアカウンセリングを進めていくという考え方です。

この構造は単純明快で、カウンセリングに限らずどんな問題解決の支援プロセスにおいても同様だと思います。

2つ目の特徴として、指示的なかかわりをするということです。③処置の段階にいたるまでは、ロジャーズ的なかかわりとも大差ありません。しかし、問題をつかんでからはそれを対処するために積極的になります。

これは、アイビイでいうところの「積極技法」、カーカフのいうところの「手ほどき技法」に対応しています。

キャリアカウンセリング試験の実技試験では、インテーク面談ができれば良いので、積極的なかかわりについては軽視されがちです。それによって、キャリアコンサルタントの資格を取ったあとでも、キャリアコンサルタントは非指示的でなくてはならないと考えている人もいます。

しかし、キャリアカウンセリングにおいては、クライエントの抱えている問題の解決を当然に志向しないといけません。そんなこともちょっと頭の片隅においていただけるといいなと思います。

カウンセリングの技法の「支持」について

コーヒーカップ方式の第1段階の①リレーションを作るという場面で求められる技法として、国分さんは5つの技法を挙げています。

「受容」「いいかえ」「明確化」「支持」「質問」の5つです。ロジャーズもアイビイもカーカフもそして、国分さんもリレーションの作り方については同じようなことを言っています。(言葉やニュアンスは微妙に違いますが)

国分さんの言説の中で特徴的なのは、「支持」についてです。過去の学科試験でもこれを理解していれば迷わず正答できる問題がでていました。これについて説明していきます。

「支持」とは、クライエントの発言内容を承認することです。クライエントの表明したことに対して、「それは当然だ」と反応することです。

なんか、「おやっ」と思いませんでしたか?キャリアコンサルタントの養成講座などでは、このような評価的なかかわりは良くないと習います。ですので、試験に出ると間違えているのではないかと思いますが、国分さんは積極的なかかわりとして「支持」の必要性を表明しています。

「支持」を行う根拠の一つとして、「支持」を行うことでクライエントの自己受容の原動力となりえるということを挙げています。

他者から「あなたはOK」と承認されることで、「自分はOK」だと思えるようになるということです。

また「支持」を行う他の根拠としては、クライエントが心の中をさらしているのに、カウンセラーが感じたことを表明しないのは好ましくないという考え方もあります。

クライエントとカウンセラーが真に情動的な繋がりをもつために、カウンセラーとしても何を感じているかを表明すべきだという考え方です。

これらは、キャリアコンサルタントの養成講座で中心的な理論であるロジャーズ理論の考え方と少し異なるかのように感じるかもしれません。しかし、ロジャーズの理論の「純粋性」とは、こういったことを言っているのではないのかなと僕は思います。

カウンセラーに求められるパーソナリティについて

カウンセラーとして求められる人間性(パーソナリティ)について4つを挙げています。そのうちの2つは、「人好き」「共感性がある」ということで、わかりやすいと思います。あとの2つが特徴的なので、紹介いたします。

まず1つ目が、「無構え」であることです。

これも、過去に出題されていました。カウンセラーとクライエントがリレーションを作るために、構えがないことが大事だというのはご理解いただけるかなと思います。カウンセラーが構えているとクライエントも構えてしまい、なかなか打ち解けた関係を作るのが難しくなります。

国分さんは、「カウンセラーは酒を飲んでいない時でも、酒に酔ったときのような心境でなければならぬ」とまで言っています。それほど、構えを取るということの重要性を述べています。

ちなみに、カウンセラーが構えてしまう原因は、3つあると言います。

それは、「幼少期の捉われ」「役割への固執」「所属する集団の文化」だとしています。詳細に興味がある方は下記の参考文献をご覧ください。

カウンセラーとして求められる人間性の2つ目は、自分の人生を持っているということです。

カウンセラーが自分の人生をしっかり持っていないと、クライエントの人生を自分の人生のように感じてしまい、深入りしてしまうということらしいです。カウンセラーの心理的な独立性を保つことの必要性を述べていらっしゃいます。

このように、国分先生のおっしゃっていることは、養成講座と習っていることと少し相違点があるように感じてしまうようなこともあります。そのため学科試験で出題されると間違えているのではないかと感じてしまいます。

カウンセリングの技法や理論は非常に多岐にわたります。養成講座で習う内容は、それらを網羅できているわけではありません。この記事をご覧いただいて、こういった考え方もあるのだぁっとキャリアカウンセリングに対する認識を広げていただけたら良いなぁって思っています。

<参考資料>

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