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ライフポートレートを伝えることで生まれる効用

本日は、ライフデザインカウンセリングの2回目のセッションについてです。2回目のセッションでは、ライフポートレートを相談者に伝えてます。そしてそれについて話し合ったあと、今後の行動計画を一緒に策定します。

本日は、このライフポートレートを伝えることで、相談者にどのような効用があるかについて書いていきます。ここで生まれる効用こそが、ライフデザインカウンセリングの目的と言っても過言ではありません。

ライフポートレートを伝えることで生まれる効用;①受動から能動への移行

カウンセラーは、相談者に対してライフポートレートを伝えます。この時、ストーリーとして上手に語られると、そのストーリーの中には、一つのキャラクターがあります。

そのキャラクターは、ストーリーの中で主体的な存在として浮かびあがってきます。そして、それは相談者のことであると相談者が自覚することで、相談者自身が主体的に行動する人という感覚を深めることができます。

「この転機に直面して、私の根底にある心配事は、誰にも相手にされずに、孤独を感じることが怖いということだと思いだした。私は、成長期の問題を解決するために、誰にも相手にされない怖れの感情を、困難があってもあきらめずに挑むという感情に変化させた。この特性は、私が次の職場に移動する際に大切なものだ。私は、正義感が強く、困難があってもあきらめないのだ。そして、強く頼もしい存在だ。私が興味を持つのは、何かに挑戦しようとしている人たちが、困難な状況にあるときに、その状況を劇的に変化させるような問題解決にかかわり、成功につなげていくこと。コーチ、モチベーター、トレーナーそしてコンサルタントに興味を持っている。私は困難な状況でも地道に努力し続けることでその先の希望を見出す。自分に対するアドバイスは、自分の行動に責任を持てである。」

上記は、これまでの事例で見てきたライフポートレートです。(参照;過去記事)

このライフポートレートの中には、その人の意志が含まれているのがお分かりになるでしょう。意志が主体性をもたらしてくれます。

また、自己に対して肯定的な理解が深まります。この肯定的な自己イメージは、次の一歩を踏み出す時に大きな力になってくれるものです。

ライフポートレートを伝えることで、相談者が自分の人生に対して、より主体的にかかわろうと思えてくるということがご理解いただけたでしょうか。

ライフポートレートを伝えることで生まれる効用;②思い込みに疑問を持つ

ライフポートレートは、相談者のことを述べていますが、相談者とは切り離されて存在します。ライフポートレートを使用して間接的に自己を見つめることで、相談者は自己を客観視できるようになります。

つまり、そこで語られる内容や考え方に違和感を覚えるなどしたときに、どうして自分はそのように考えるのだろうと一歩引いた状態で見つめ直すことができます。

時に、それは不合理な思い込みであることもあるでしょう。自分を縛る信念といったものに気づくこともあるでしょう。それに気づいたあと、どうするかは相談者次第です。しかし、それが明らかに自分にとって不利であると認められるとき、相談者は自らそれを修正しようと動き出します。

このような「歪んだ認知の矯正」は、論理療法や認知療法などに代表されるものです。ライフデザインカウンセリングを行うことにより、相談者が自発的にそれを行うということが可能になります。

カウンセラーから見て、明らかに歪んだ認知に思え、相談者に不利益を与えているような思い込みがある場合があります。このような場合で、相談者がそれに気づこうとしないこともあります。

そのような場合は、カウンセラーは意図的にそれに目を向けるように努力しないといけません。そのようなある種の指示的なかかわりを志向する場面においても、ライフポートレートは有力なツールとしてその効果を発揮します。

ライフポートレートを伝えることで生まれる効用;③未来に向けてのガイドを見出せる

ライフポートレートと話されている内容は、相談者がどういう人間であるかについてです。それと同時にこれまでの苦難(転機)への対処のパターンを教えてくれるものです。

例えば、先ほどのライフポートレートの事例で見ていきましょう。

私は、成長期の問題を解決するために、誰にも相手にされない怖れの感情を、困難があってもあきらめずに挑むという感情に変化させた。(中略)私は困難な状況でも地道に努力し続けることでその先の希望を見出す。

「あきらめずに、地道に努力する」という行動パターンが浮かびあがってきています。これは、過去の困難や転機において、そのようにしてなんとか乗り越えてきたという経験から来ている言葉です。

そして、現在直面している困難や転機に対しても、同じように「あきらめずに、地道に努力する」ことで乗り越えられると勇気づけてくれます。

このように、未来に向けて困難や転機に際したとき、どのような行動を取れば良いのかを指し示してくれるガイドを見出すことができます。ガイドがあれば、それを軸に物事を捉えたり、判断したりすることができるようになります。

ライフポートレートを伝えた後は、具体的な行動計画をカウンセラーと相談者で協働して作成していきます。この時、ライフポートレートが具体的な行動につながることを相談者は気づいてくれることでしょう。

具体的な行動計画については、また後日記載いたしますね。

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