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社内でのコミュニケーションを活性化させるために有効なひとつの取り組み

世の中には、建前とホンネが溢れています。特に仕事の世界では。

たとえば、別部署の課長が異動になるという場面での「お世話になりました」という挨拶。

特にお世話になったとも思っていないのに、平気で「お世話になりました」といいます。言われた方も、「これからも頑張れよ」みたいなことをいいます。特に思い入れや気持ちはなくても、とりあえずお互いにそういったことを言います。

言葉に気持ちが乗っていないことは、お互いなんとなく感じているでしょう。でもその場にふさわしい言葉をかけることが礼儀だと感じ、そのようなある種の上っ面な言葉を交換するコミュニケーションがよくあります。

このような建前とホンネを使い分けるコミュニケーションばっかりの環境にいると、時に心が疲弊したり、孤独感を感じたりします。不安な気持ちを抱えても、それを分かち合える人がおらず、自分ひとりで抱えてしまい、ますますしんどくなってしまうことがあります。

その結果、メンタルヘルスを患ってしまったり、離職につながってしまったりすることもあります。

一方で、ホンネとホンネをぶつけ合うコミュニケーションもあります。お互いに自分の心を開いておこなうホンネとホンネの交流です。お世話になった人に心から「お世話になりました」と言い、心から「これからも頑張れ」と言えるような人間関係です。

ホンネとホンネで交流することって

多くの人は、できたら表面的ではなくホンネで交流したいと思っているんじゃないでしょうか。

もし、社内でホンネの交流ができるようになったら、その効果は大きいでしょう。集団に安心して帰属できていると感じると、人のパフォーマンスは向上します。仕事へのやりがいは高まり、離職率は低下するでしょう。

このようなホンネとホンネの交流は、家族の中や、親しい友人間や、恋人同士などで交わされることが多いでしょう。しかし、社内でこのような交流を行うのは難しいかもしれません。

さらに現代では、特にこのホンネの交流がおこなわれづらい環境になってきているのではないかと思います。その原因はいろいろ考えられるかと思いますが、そのひとつにコミュニケーションツールが便利になりすぎていることが挙げられると思います。

直接顔を合わせたコミュニケーションでは、表情や声色、仕草などからも相手の感情が伝わりますが、メールだけの文字だけのコミュニケーションだとどうしても伝わりづらくなります。さらに仕事の場面でのコミュニケーションでは、主観を廃したドライなコミュニケーションになりがちです。

そうなると事実を事実として伝えるだけで、自分の考えや感情は控えるようになってしまうこともあるでしょう。そうなるとホンネを伝えるなんてもってのほかで、ドライなかかわりに終始してしまうようになるかもしれません。

ホンネとホンネの交流を推進するための有効な手段

ホンネとホンネの交流は、人間関係を前提とします。前提となるのは、ホンネを出してもお互いにそれを受け止めて、相手がそのように感じていることを認めることのできる関係性です。このような関係性ができていない状態で、急にホンネで交流しようとしても、大抵摩擦が生まれ、周りから失笑されてしまうような状態になります。周りの人々も、急にホンネで来られると戸惑います。

組織のコミュニケーション風土を変化させていくことは、簡単ではありません。しかし、徐々にでも職場においてコミュニケーションの風土を潤いのあるものに変えていくことは可能です。

潤いのあるコミュニケーションを取れる職場環境にするための、その土壌を整えるために僕が非常に有効だと思う方法があります。それが、「チェックイン」です。

「チェックイン」とは

僕がここで言う「チェックイン」とは、会議や朝礼などの冒頭で、参加者全員が順番に私的な話をすることです。決まり事としては、時間は1分以内、仕事の話はしない、事実だけではなく主観を含める、極力否定的に聞かないなどがあります。このような決め事を設ける目的は、後述します。

「チェックイン」の効用は、メンバーの自己開示のハードルが下がるということです。自分について「何をどう感じるか」といったことを開示して他者に伝え、それを受け止めてもらえる機会を頻繁に持つことで、他者に自己開示のハードルが徐々に下がっていきます。また、仕事以外の私生活についてもメンバー間の相互理解が深まっていくという効果もあります。

これらの効用が、社内でのホンネとホンネの交流を行える環境の土壌となっていくことはご理解いただけるのではないでしょうか。

僕自身の「チェックイン」の体験

僕は、以前リクルートという会社で営業職に就いていました。配属された部署では、毎週月曜日の朝8時半から会議が行われていました。営業活動の進捗状況の報告や取り組み内容や課題の共有などがその目的でしたが、その会議の導入で「チェックイン」を実施していたのです。

そこで行われていた「チェックイン」は同じ営業グループの8名ぐらいのメンバーで、1人1分ぐらいの時間で、順番に先週末の休みでどんなことをしていたかを発表することでした。スーパー銭湯にばっかり行っている人、フットサルをしている人、地域の消防団に参加している人、海が大好きな人、フェンシングの大会に出ている人、本当にいろんな話をその場で聞きました。

入社当初、僕はこの「チェックイン」が苦痛でした。周りの人の目が気になり自分のことを話すことに抵抗がありました。つまらない奴だとか、イケてない奴だとか思われるのが怖かったのだと思います。

でも、不思議なことに、毎週毎週「チェックイン」を行って数をこなしていくと段々と自分のことを話すのが怖くなくなっていきました。これはその8人ほどのグループが、自分をある程度理解してくれていて、自分の話を受け止めてくれるグループだと感じたからだと思います。

そして、「チェックイン」で話すことが怖くなくなってくると、もう職場の人たちとのコミュニケーションでストレスを感じることはほとんどなくなっていました。そして時には、甘えたり、弱音を吐いたり、ふざけたり、そういったこともできるようになっていました。

もちろん、「チェックイン」だけがその変化を生んだ原因ではないでしょう。でも、僕の実感としては毎週の「チェックイン」が大きな影響を僕に与えてくれたように感じます。いつしかそのグループに自分が所属していることに安心感を感じるようになっていました。

このように、「チェックイン」には、メンバーの自己開示のハードルを下げ、メンバー間のコミュニケーションに潤いをもたらす効果があると考えられます。

「チェックイン」を行う際の注意点

しかし、「チェックイン」を行うには、注意しなければならないことが二つあります。ひとつは、ホンネを含めて伝えるということです。ただ出来事を伝えるだけでは、なんの自己開示にもなりません。何を感じたか、何を考えているか、その人の人間性に触れることを話すということです。

もうひとつは、好意的に聴くということです。好意的に聴くとは、なんでもかんでも肯定して「そうだそうだ」というリアクションをしながら聴くことではありません。自分の考えとは違う考え方や感じ方に対して、「この人はこんな感じに感じるのだな」と相手への理解を深めていくように聴くような聴き方のことです。

そういった聴き方をしていると、時に「それはどう意味?」とか「それってどんな感じなの?」といった質問も自然と出てきます。こういった自然な質問の受け答えも「チェックイン」の重要な要素になります。

この二つの注意しなければならない点があります。ですので、効果的に実施するために

「チェックイン」の実施のしかた

先ほど実施事例として、僕の前職の会社での事例を挙げました。しかしこういった取り組みの効果は、その会社の「組織文化」の影響を大きく受けます。つまり、どのように実施していくのが良いかというのはその組織文化により当然に異なっていきます。

例えば、「積極的に仕事とかかわり、自分の仕事には責任を持つ」という文化がある会社と、「お互いに助け合いながら、みんなで仕事を進めていく」という文化がある会社では、「チェックイン」を導入するうえでの決まりごとや実施するうえでメンバーに伝えるメッセージは異なってくるでしょう。

「チェックイン」を社内で導入することにご興味のある方は、コチラからお問合せください。メールでのご質問でも、ご訪問させていただきお話させていただくのもどちらでも対応させていただいております。初回訪問時にお話を伺うのは無料で実施させていただいておりますのでご安心ください。

企業内でのコミュニケーションが潤いのあるものになるということは、企業の営業活動の成果の向上につながるとともに、それ自体が従業員に対する福利厚生になると思います。そのような企業が社会の中で増えていったらいいなって思っています。

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