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カウンセリングの技法「いいかえ」や「明確化」の練習のしかた

本日は、カウンセリングにおいてクライエントとリレーションを築くうえで大切な技法を身に着けるための練習のしかたについて書いていきます。

具体的には、「いいかえ」や「明確化」といった技法をカウンセリング場面で自然とできるようになるための練習の仕方です。国家資格キャリアコンサルタント試験の面接試験対策にもなると思います。

会話

「いいかえ」や「明確化」とは何か、その効果は何か

「いいかえ」とは、クライエントが語ったことの本質をフィードバックすることを言います。「明確化」とは、クライエントがはっきりとは意識していないところを先取りして、これをカウンセラーが言語化することを言います。

「いいかえ」と「明確化」は、その意味するところは上記のように違いますが、僕はほとんど同じ概念として理解しています。それは、クライエントの認知の拡大化です。

クライエントは、様々な想いを抱えています。その想いをカウンセリング場面で言語化しようとします。しかし、普段から言葉にしていない想いをいざ言葉にしようとしてもなかなかむずかしいものです。

さらに、自分がどんな想いを抱いているのかということに対して良く分からなくなってしまうこともあるでしょう。

クライエントの内的な認知の世界を拡大したり明確にする作業(つまり自己探索)を支援するのが、「いいかえ」や「明確化」を行う効果です。

カウンセリング場面においてそのプロセスを活性化するのに非常に有効な技法です。キャリアコンサルタントとして是非身に着けるように努めなければいけないとともに、資格取得時の面接試験でも求められる技法です。

「いいかえ」や「明確化」の練習のしかた

「いいかえ」や「明確化」の練習のしかたとして有効だと僕が思うのは、「人々の言葉を聴いた時に、その言葉はどんな想いの表出かを考える練習」です。

どんな練習かを具体的に見ていきましょう。

例;「ごめん、今いくらかお金持っている?」

友人が上記の例のことを言ったとしたとしましょう。さて、これは、どんな想いを表出でしょうか?

「お金を貸して欲しい」という想いがありそうではありませんか。一緒に参加する飲み会の前で、財布を見ながらこのような言葉を言ったとしたら、かなりその確率は高そうです。

このように、僕たちはある程度、相手がどのような想いを持って話しているかを洞察する能力を持っています。それを日常生活において、さらに意識することで、その感度を磨いていくという練習です。また、日常生活の会話の中だけでは、文章であったり、TVなどの動画を見ながらでもできます。

それでは、具体的に様々なセリフを書いていきます。試しに、どのような想いを表出かを考え、そして自分だったらどのように「いいかえ」「明確化」を行うかを考えてみてください。答えがはっきりとあるわけではないので、仮説で良いですよ。

「いいかえ」や「明確化」の日常生活における練習の具体的な事例

①きっと君の会社は、冬のボーナスが結構出るんだろうね

②今回の人事異動で、どこかに異動しないかなぁ

③あなた、今日も帰りは遅いの?

④結婚したら、夫の両親と同居しなくちゃいけないかなぁ

⑤妻が、俺の母親の介護に疲れているみたいでね

⑥私の2歳の娘がまだ言葉がなかなか出てこなくて

⑦今夜もまた残業しないといけないかなぁ

⑧君は、会社の近くに住んでいて、良いねー

上記の事例に対する「いいかえ」や「明確化」の返答の事例

①君のところは、ボーナスは少ないの?

②今の部署になんか不満でもあるの?

③うん。最近一緒に過ごす時間が短くなっているね。明日は早く帰るよ。

④ご主人の両親と同居することに何か気がかりなことがあるの?

⑤奥さんに、申し訳ないなぁみたいに感じているの?

⑥お嬢さんの成長が遅いのではないかと心配されているんですね

⑦今日は早く帰って何かしたいことでもあるの?

⑧君は、職場の近くに住んでいないの?

大切なのは、その言葉にはどんな想いが含まれているかを感じようとすることです。つまり、「相手の気持ちを汲み取る」ということですね。

その想いを相手は明確に意識できていることもあれば、意識できていないこともあります。しかし、どのような場合でも上記のような応答の繰り返しで、コミュニケーションは深化していきます。

日常生活のコミュニケーションからこのような感覚を磨いていけば、カウンセリング場面においても自然とそのような応答ができるようになります。

是非、すこし試してみてください。

<参考文献>

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