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キャリアストーリーインタビューの進め方とその狙い

本日は、「キャリアストーリーインタビュー」の進め方とその狙いについてお話します。ちょっと専門的な内容です。一般の方は関係ないかなと思われるかもしれませんが、キャリアカウンセリングを受けてみようかと検討している人には有意義な内容にしております。内容も難しくないので是非お読みください。(キャリアカウンセリングに興味のない方は、読むのをおやめください。)

インタビュー

キャリアカウンセリングのやり方は、一つではない

従来のキャリアカウンセリングは、人と仕事をマッチングすることを重視していました。まず、アセスメントと呼ばれる検査によって、人の適正や興味などを検査します。その後、その検査結果を受けて適正や興味に適合しそうな職業についての情報を提供します。

相談者はアセスメント結果と職業情報をもとに、職業選択における合理的な計画を立てていきます。現在、日本国内で行われているキャリアカウンセリングの大多数はこれになります。例えば、転職エージェントなどに登録すれば、受けられるキャリアカウンセリングもこれになります。(このサービスを提供しているものの中には、アセスメントをしっかり行わず、軽いヒアリングで終わらせているものもあります)

この手法は、効果的・効率的な手法ですが、欠点があります。本日は内容が外れますので欠点については記述しませんが、「人の独自性をいったん無視し、型枠にはめていくようなやり方」なのでそれが欠点であると思ってください。

僕たちキャリアストーリーが行うキャリアカウンセリングは、ライフデザインカウンセリングというキャリアカウンセリングになります。このライフデザインカウンセリングとは、マーク・L・サビカスという現在のキャリアカウンセリングの第一人者といえる方の提唱するキャリアカウンセリングの技法です。

ライフデザインカウンセリングとは

ライフデザインカウンセリングとは、あなたがあなたの人生に一貫性のあるキャリアストーリーを見出すことで、未来に向けて自らの方向を決定し、個人的に責任を負うための内なるガイドを提供することが目的です。

つまり、一度の就職や転職における問題解決のみを志向するのではなくて、その転機を利用して、未来に向けてより主体的・能動的にあなたがあなた自身の人生とかかわれるようにするのが目的です。

ライフデザインカウンセリングでは、人生における一貫したキャリアストーリーを見出すために、キャリアストーリーインタビューを行います。では、どのような質問をすることで、キャリアストーリーを浮かび上がらせていくのでしょうか。

5つのキャリアストーリーインタビュー;質問1 ロールモデル

まず最初に、「少年/少女時代に誰に憧れ、尊敬していましたか?その人のことについて話してください。」というインタビューをします。これはロールモデルを問う質問です。

ロールモデルを選択することは、幼少期における最初の職業選択です。この質問をすることで、生来のその人の性格や特性が得られます。僕自身を具体例にして考えていきましょう。

僕が幼少期に憧れたヒーローは、宇宙刑事シャイダーです。

彼は、もともと正義感の強い地球の警察官でした。

ある日地球に侵略者がやってきて、彼は殺されます。

しかし、その彼は、宇宙刑事の組織の手により、宇宙刑事シャイダーとして復活します。

そのあと、彼は一度自分を倒した敵に再度立ち向かっていきます。

そういったあきらめない不屈の姿に僕は憧れました。

もちろん宇宙刑事の「強さ」や「頼もしい」姿にも憧れました。

このように、「正義感が強い」「あきらめない」「不屈」「強い」「頼もしい」といった憧れの存在を形容する言葉が出てきました。これらの言葉こそがこの質問で引き出したいものになります。カウンセリングを受ける相談者がどうなりたいかを表す言葉です。確かに僕は、それぞれの言葉のどれにも強く惹かれるものがあります。

最初のインタビューでは、憧れの存在を聞くことで、その人がどうなりたいかという自己イメージを聴いていることになります。

5つのキャリアストーリーインタビュー;質問2 雑誌・テレビ番組・ウエブサイト

次に「普段良く観る雑誌やテレビ番組、ウエブサイトはありますか?それはどういったところが面白いですか?テーマや内容を教えてください?」といったインタビューを行います。また僕自身を具体例に考えていきましょう。

僕が良く観るのは、サッカーの試合です。

特にイングランドのプレミアリーグというサッカーリーグの、リバプールというチームの試合です。

このチームが他のチームと違うのは闘争心です。

どんなに不利な状況でも、あきらめず、戦い続けます。

また、非常に攻撃的なチームです。

リスクを冒して、攻め続けます。

そのような姿勢が時に劇的な勝利を呼び込みます。

この質問の狙いは、興味のある環境や活動の種類を特定することです。どうやら僕は、戦うことに興味があるようですね。この質問を深堀りしていくことで、「チームとして成果を出すことが求められる環境」「リスクを冒すことが許される環境」「チャレンジできる環境」などを職業環境として臨むことが浮かび上がってきます。

5つのキャリアストーリーインタビュー;質問3 大好きなストーリー

「今、本や映画で好きなストーリーは何ですか?そのストーリーを教えてください。」

映画「ショーシャンクの空に」のストーリーが好きです。

無実の罪で投獄され、過酷な環境に放り込まれても、主人公は人間性を失わず、気高く生きようとする姿に感動します。

厳しい環境下でも日々やり続けた営みの先に希望が見つかり、再び力強く輝かしい人生を歩みだす姿に憧れます。

この質問のポイントは、「今」です。相談者の「今」置かれている状況を浮かび上がらせます。どうやら僕は、厳しい環境に置かれていると自分自身のことを考えているようです。

またこの質問は、未来に向けての方策も与えてくれます。この事例の場合ですと、「日々やり続けた営みの先に希望が見つかり」というのが未来に向けての方策のヒントとなるてがかりになります。

5つのキャリアストーリーインタビュー;質問4 好みの名言・格言

「あなたの大好きな名言・格言は何ですか?」

映画スパイダーマンでの名言が印象に残っています。

「大いなる力には、大いなる責任が伴う」

この質問の狙いは、相談者が自分自身に対してどのような戒めを持っているかということを知るということです。すぐには、何も浮かびあがらないこともありますが、そのような場合は、最近見た言葉や聞いた言葉で印象に残っている言葉などを聞いていきます。

僕の場合、確かに自分の「責任」について普段からよく考えます。それはもう捉われているといってもいいぐらいです。

5つのキャリアストーリーインタビュー;質問5 幼い頃の思い出

「幼い頃の思い出は何ですか?3歳から6歳までに起きたことについて3つのストーリーを聴かせてください」

この質問の狙いは、相談者が今の状況や自分自身に対してどう捉えているかを理解するということです。現在の視点から過去を語るときに、相談者は無意識のうちに、現在の「捉われ」をそのうちに含んで話をします。その「捉われ」が今直面する(これから直面しようとする)転機を超えていくための鍵になります。

そして、この質問で相談者の「人生を貫くテーマ」といったものを浮かびあがらせていくのが目的となります。5つのキャリアストーリーインタビューの中でもっとも中核となる質問といっても過言ではない質問です。

今日は、ライフデザインカウンセリングにおけるキャリアストーリーインタビューの具体的な流れについて記述しました。僕たちキャリアストーリーでおこなうキャリアカウンセリングでおこなっている内容です。相談者の自己探索を深める方法はたくさんありますが、数多くの実践に裏打ちされているこの方法の効果は大きいと考えます。

もし、今この記事を読んでくださっているのが、キャリアカウンセリングの実施者側の方の場合は、是非ご自身のキャリアカウンセリングでも活かしてくださるとうれしいです。

もし、今この記事を読んでくださっているのが、キャリアカウンセリングを受けたい、あるいは受けたことがある方の場合は、キャリアカウンセリングにもさまざまな種類があることを知ってください。そして、あなたが転機に際して自分自身のことがよくわからなくなっているということで悩んでいらっしゃるなら、そんなあなたにはライフデザインカウンセリングのようなキャリアカウンセリングがあっていますよ。

<参考文献>

僕たちキャリアストーリーのキャリアカウンセリングサービスの根拠となっている本です。ご興味のある方はぜひご覧ください。(どちらも読みづらいですが)

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